3.11

ブログ

10年前、まだブログ始めていなかったので、あの日の記録がありませんでした。
10年前に起きたこと、自身の行動、その時の感情について思い出してみようと思います。

2011年3月11日金曜日
株式市場がもうすぐ引ける14時46分。
私は今も同じ東京大手町のオフィスにて業務中、小刻みな縦揺れを感じた。それが段々大きくなる。
40年生きてきてこんなに強くて長いP波は経験になく、これは大変なことになるとすぐに直感した。

1分ほど続いた縦揺れの後、これまで体験したことのない激しい横揺れ。
低層階だからそれほどでもないと思うが、オフィス内にあった幅1メートルほどの大きな熱帯魚の水槽は、近くにいた女子社員が手で押さえるファインプレーでどうにか転覆を免れた。
とは言え、それでも水がバシャバシャとこぼれるほどの揺れ。

廊下に出ると、ビル同士が揺れて隣のビルと衝突しそうに思えてなんとも恐怖だった。
エレベーターは止まったが、停電はせず。
マーケットを見ると株式は暴落、なぜかドル円は1円ほど上昇。なぜ?と思ったのを覚えている。

同い年だが古参の社員がすぐさまビル内のコンビニに走って、カップラーメンを箱買い。
オフィス内のテレビをつけるとだんだん被害状況が分かってきた。
テレビからひっきりなしにアナウンスされる大津波警報。
そんな警報あるんだと思ったのも覚えている。

最初の揺れから1時間ほどたつと、テレビに映し出された津波による地獄のような光景に息を飲む。
大型漁船が防波堤を超えて陸地に投げ出される光景は、とても現実とは信じられなかった。

とりあえず横浜の自宅から全員無事であることを確認して安堵すると、この後どうしようかを考える。
テレビでは徒歩で帰宅する人で渋滞していると伝えているが、自宅まで30km以上ある私はとても歩いて帰るなど考えもせず、よく歩いて帰るなんて選択をするなーと呑気に構えていた。

オフィスからも私と同じような遠距離のメンバーを除き大体帰宅(近隣に住む社員宅に数名泊まるケースもあったが)していて閑散としてきた。
私自身は、家族も無事だし食べるものもあるし、オフィスビルは2010年に竣工したばかりで安全と思えたので、夜が明けて電車が動き出したら帰ろうと思った。

テレビの前のソファーに寝ころびながら見ていると、日が暮れて火の海となった気仙沼など相変わらず非現実な光景を映し出している。
この時役に立ったのはツイッター。
リアルタイムに様々な情報が入ってくる。

ふと電車の運行状況を調べると、JRは一切動いていないが半蔵門線、東横線、相鉄線が動いてるというツイートで、家に帰れることが判明。
AM3時頃にオフィスを出た。
電車は徐行している区間もあったが、特に混雑も混乱もせず、普段の倍以上かかったが夜が明ける頃に最寄り駅についた。
駅のコンビニに入り、モノがほとんどなくなってることに驚きながらも、袋ラーメン5食入りなどを買って帰宅。
無事家族と再会することができた。
家もかなり揺れたらしいが、モノが落ちたりということはほとんどなかったようで、普段と何も変わらなかった。

娘は二人とも徒歩数分の小学校・中学校に通っていて、怖い思いはしたもののすんなり帰宅。
同じフロアで白楽の学校に通っている上の娘と同級生のお嬢さんは、その家の奥さんが車で迎えに行こうと出たら大渋滞に巻き込まれ、そのうち娘は電車で帰ってきてしまい、家に上げてあげて奥さんが帰るまで過ごしたということを聞いた。

土日は何をしたかあまり覚えていない。
食糧調達で並んだという記憶もないので、家にあるもので済ましたんだろう。
早くもJRが月曜日まで運休を決め、月曜朝は違う路線で行くハメになって毒ついたのを覚えてる。
会社も早く来てくれとのことだったので、始発だったんじゃないかな。

春休みはシンガポールに家族旅行に行く予約をしていたが、キャンセル。
それでも3/27に滋賀に車で旅行に行っている。
気が沈むことばかりだったので、気分転換を優先したのだろう。

原発事故で水道水にも放射線が検出されたニュースで近隣のコンビニからはミネラルウォーターが消えており、長男が生まれた直後だった義弟家では、義弟の奥さんがノイローゼ気味になってしまった。
旅行先のコンビニを見つけてはペットボトルの水を買いためて(震源地から遠く離れた旅行先でも500mlより大きいペットボトルはなく、500ml一人2本までの制限がかけられていた)、帰ったら義弟家にあげた。
関東に帰ってきたら、スタンドはしばらく大行列で全く入れられる気がせず、ひと月くらいは車を全く使わない生活をしていたと思う。

地震から半月くらいの出来事で思い出せるのはこんな感じです。
被災して家や家族・知人など大切なものを失った方々の心痛や、今も元の生活に戻れていない方々の苦労とは全く比べられるものではありませんが、これからどうなるんだろうという不安を感じていたのも事実です。
避けようのない自然の摂理とはいえ、二度と起きて欲しくないですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました