こちらの記事の補足というか適用方法にフォーカスした詳細版。
EOS KDNを人に貸す際にメディアを初期化したりしてロシアンファームが適用されなくなったので、復習と備忘を兼ねてアップします。
■概要
まず、EOS KDNのファームの書き換えを行う必要がある。
これによりブータブルなCFに配置されたAutoexec.binを実行する準備が整う。
こちらは本体ファームの改造になるため、場合によっては本格的にカメラが壊れる可能性があり、自己責任で行うこと。
上記準備ができたら、EOS KDNに挿入するメモリーカード(CFあるいはCFアダプターに刺したSD)をブータブルディスクにして、ロシアンファーム本体であるAutoexec.binをメモリーカードのルート(Fドライブにマウントしているなら「F:」直下)に配置すればOK.
ブータブルディスクといってもEOSデジタルカメラがBootableと認識できる形式でなければならない。
4GB以下(FAT)であれば「Cardtricks」というツールが使え、4GB以上(FAT32)の場合はメディアのセクタを直接書き換えできるツール(HxD等)にて書き換えが必要。
4GB以下であってもHxDで所定の箇所の書き換えを行えば、Cardtricksを使う必要はない。
なお、EOS KDNのファームウェアバージョンは最終のVer. 1.0.3でなければならない。
では手順。
■本体のファーム更新
(本体ファームウェアは最終版のVer. 1.0.3であることが必須)
- 下部にあるリンクからzipファイルをダウンロード
- bootflg2.zipを解凍。
- 中にある「bootflg2.fir」をFAT16フォーマットされたメモリカードのルートディレクトリに配置。
- メモリーカードを本体に挿入し、ファームアップデートを実行。
- 完了したらカメラの電源をOFF、バッテリーも抜く。
詳細はbootflg2.zipに含まれるReadme.txtをよく読む。
■メモリカードが4GB以下の場合
- EOS KDNで「CFカード初期化」を行う。
- CardTricksで「CF boot sector」にチェックを入れ「Make Bootable」ボタンを押す。これによりEOSがBootableディスクと認識するようになる。
- 350D-20101011フォルダ内のAutoexec.binをCFのルートフォルダへコピー
- CFカバーを閉じた段階で、液晶脇のLED(サブ液晶のライト点灯ボタン)が青く光ればOK.
■メモリカードが4GB超の場合
- PC等でFAT32でフォーマットまたはEOS KDNで「CFカード初期化」を行う。(どちらかでいいのか、FAT32フォーマット→本体で初期化の両方が必要かは未検証)
- HxDを「管理者として実行」モードで起動。
- 「エクストラ」-「ディスクを開く」にてCFカードが挿入されているドライブを選択。この際、「読み取り専用」のチェックは外す。
- 下図赤字のように、0x47からの11文字を「EOS_DEVELOP」、0x5Cからの8文字を「BOOTDISK」と書き換える。これによりEOSがBootableディスクと認識するようになる。
- 「ファイル」-「上書き保存」を選択。
- 以後は4GBの場合の3.以降と同様。
FAT(FAT16)の場合、FAT32とはアドレスが異なり下記アドレスを書き換える。
0x2Bからの11文字を「EOS_DEVELOP」
0x40からの8文字を「BOOTDISK」
実際、Cardtricksで書き換えたメモリーカードをHxDで覗いて見ると、上記の通りとなっている。
■ロシアンファームの呼び出し
ロシアンファームに搭載された設定変更を行う場合はINFOボタンを押下。
こちらは標準状態。
こちらがロシアンファーム適用後の状態。
左上が「1:ISO」となっているが、「23:FlashBracket」まで23の機能に対して設定変更が行える。
設定する機能の切り替えは上下ボタン、設定値の変更は左右ボタン。
例えばISOだと、標準は最高1600で1段刻みでしか変更できないところ、ロシアンファームでは最高3200で1/3段刻みで変更が可能と機能拡張される。
■関連リンク
参考サイト:CHDK Wiki 350D
本体のブートフラグ書き換えファームウェア
http://chdk.setepontos.com/index.php?action=dlattach;topic=4202.0;attach=4318
EOS KDN用ロシアンファーム
Cardtricks
HxD
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