機会があって人生初の歌舞伎鑑賞をしましたので、そのレビュー など。
国立劇場の初春歌舞伎「南総里見八犬伝」です。
ある団体での鑑賞でしたので席は1階舞台正面の前から10列目くらいのいい席でした。
いわゆる全編が歌舞伎口調で、外人でなくてもイヤホンで聞くイメージあったので、何言ってるかわからないんだろうなと思ったら全然そんなことなかったです。
男役でも女形でも脇クラス(目安は顔を白く塗っていない役)は、時代劇の町人言葉のようで普通に聞き取れますし、主役クラスの歌舞伎口調は古い単語や言い回しが増えるものの、若い役者さんは聞き取りやすかったですね。
ベテランの役者さんになると、若干難解な印象です。
そして、イヤホンガイドは通訳ではなく、背景や表現の解説で、基本はセリフを耳で聞いて楽しむものということがわかりました。
そしてもう一つ、伝統芸能ということで型を守るのが第一で、堅苦しいのかなというイメージもありましたが、思ったより全然くだけてましたね。
コミカルな場面では笑わせようという意図を感じますし、流行語大賞なフレーズも取り入れたりして、かなり印象変わりました。
歌舞伎に詳しい義母の話によると、初春公演は比較的観劇歴の浅い人の来場を見越してなのか、わかりやすくて派手な演目が多いとのことでしたが、今回もセット・演出が圧巻でした。
場面が変わればセットを組みなおすので、10~15分かかるんですが、それでもこの短時間でどうやって組むんだ?と驚くようなセットの連発でした。
ハリボテを立て掛けるだけというのとはわけが違い、屋根のセットでは屋根の上で殺陣をやり、前宙、側宙してもびくともしない強度があり、しかも殺陣をやりながらセットが回転!
それが前半のクライマックス場面ですから、劇始まる前に組んでおく、という手は使えず、前場面のセットをバラして、屋根セット組んで、またバラしてなので、すごい技術だなと。
武田双雲氏揮毫の八犬士所有の水晶に宿る文字。東京理科大→NTT就職3年後に書家として独立って、変わった経歴ですね。
結論としては面白いです。
高い席は1万円近くするんですが、調べてみたら1,500円という席もあるので、思ったより敷居は高くないですね。
せっかくだから歌舞伎座にも行ってみたいです。
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